专利摘要:

公开号:WO1992012177A1
申请号:PCT/JP1991/001803
申请日:1991-12-27
公开日:1992-07-23
发明作者:Shuhei Kondo;Kohei Ogawa
申请人:Asahi Kasei Kogyo Kabushiki Kaisha;
IPC主号:C07K14-00
专利说明:
[0001] P P 1 1 03
[0002] 明細書
[0003] 新規な巨核球増幅因子およびその製造方法 技術分野
[0004] 本発明は新規な巨核球増幅因子およびその製造方法に関す る。 更に詳しく は、 本発明は、 血小板の前駆細胞である巨核 球の増幅を促進する活性を有し血小板産生を促進する作用を 有する新規な巨核球増幅因子蛋白質、 および細胞培養または 遺伝子工学的技術によるその製造方法に関する。 本発明はま た、 血小板減少症等の疾患の予防及び治療に有用な巨核球增 幅因子と しての上記の新規な蛋白質を含む医薬組成物に関す る。
[0005] 背景技術
[0006] 血小板は、 血管の破れによって起こる出血を生体が自然に 止める血栓形成および血液凝固の過程におい τ、 その促進に 重要な働きを担っている。 血小板の産生を特異的に促進する 因子と される ト ロンボポェチン (Τ Ρ Ο ) は、 過去 20年以上 もの間数多く の研究者がその取得に情熱を燃やして当ってき ているが、 いまだに成功にはいたっていない。
[0007] 血小板減少動物の血しょ う を健常動物に投与すると、 血小 板産生がこ う進し、 逆に血小板を輸注する と血小板産生が低 下することから、 血小板の増減に応じてその産生を調節する 作用を有する τ ρ οの存在が古く から提唱されてきた。 その 後の研究結果から、 血小板は骨髄幹細胞から巨核球前駆細胞 ょ リ骨髄中で分化 · 成熟して生じた巨核球よ リ血液中に放出 されることが明かにされ、 また in vitroの成績から巨核球の 分化 ' 増幅過程の早期には巨核球コロニー刺激因子 (Megaka ryocy t e Colo" St imulat ing Fa c t o r ;Meg - CSF) 力 S作用し、 後期には巨核球の成熟を促進させる活性を有する T P Oが作 用すること も明かにされた。 即ち、 まず Meg- CSFの作用で、 前駆細胞が細胞分裂を操返し巨核球コンパー トメ ン トが増大 し、 次に T P Oの作用によつてそれぞれの巨核球前駆細胞は endomi tos isを行ない、 その染色体倍数を増大させていく ( →32N) と共に細胞質が成熟 ' 増大して、 血小板産生がなさ れるよ うになる。 丁 P Oはまた巨核球増幅因子 (Megakaryoc yte Potent i a t o r; Me g-POT) と呼ばれること もある。
[0008] Meg - CSFの活性は、 in vi troのヒ トまたはマウスの骨髄細 胞の軟寒天培養において巨核球コ口ニーを形成させる活-性を 測定することによ リ determineされる。 現在 Meg-CSFの活性は、 再生不良性貧血患者及び突発性血小板減少性紫斑病患者の尿 中、 骨髄巨核球無形成性血小板減少症患者の血しょ う 中、 ィ ンゲンマメ レクチン刺激ヒ ト白血球培養上清、 マウス白血病 細胞株 WEHI-3培養上清等に見いだされている。
[0009] 種々のサイ ト力イ ンの う ち、 イ ンターロイ キン 3 (IL-3) (以下インターロイキンは ILと略す》が巨核球を含む多く の系 統に非特異的に作用する MuU i - CSFであるこ とが明らかとな つてきている。 また WEHI - 3培養上清中の Meg - CSFが IL - 3と完 全に一致するなど、 従来の細胞培養上清中の Meg-CSF活性の 多く が I L-3による と されている。 しかしながら、 血小板系に 特異的に作用するこ とが明らかにされた Meg - CSFは未だに知 られていない。
[0010] —方 T P Oの活性は、 Meg-CSFのコ ロニー形成活性の增強 作用及び または巨核球の成熟促進作用を測定するこ とによ リ determineされる。 これまでにいく つかの T P O様活性を 有する因子の提供が試みられてきた。 ヒ ト胎児腎細胞株の培 養上清中よ リ調製される、 SDS-PAGEでの分子量が 15000、 等 電点が 5.1の巨核球系の細胞中の蛋白質合成を促進する作用 を有する巨核球促進因子 (Megakaryocyte St imulatory Fact orJMSF) 及びその製造方法が報告されている (米国特許第 4, 894, 440参照) 。 また最近、 B細胞の抗体産生を誘導する糖 蛋白質と して見いだされ、 免疫系、 急性期反応系及び悪性腫 瘍にも関与するこ とが明らかにされている多機能サイ トカイ ンである IL-6が、 造血系にも関与してぉリ 、 in v roにおい て Me g-POT活性及び巨核球成熟促進活性を示し (Ishibashi,T, et a 1. 「Pr。c.NaU.Acad.Sci.USA」 ϋ, 5953 ( 1989) ) 、 in v i voにおいて血小板産生促進作用を示すこ とが確認されている (Asano, S. e t a 1.「B 1 o o d Jl^、 1602 ( 1990) ) 。 更に、 IL-7や I L-ll等も巨核球増幅活性を有することが報告されている。 し かしながら、 これらの因子の巨核球增幅活性は微弱なもので ぁリ、 またこれらが生体に本来備わった構成的(const i tut iv e )な造血因子であるかどうかは不明である。
[0011] 本発明者等は、 上述の技術的背景にあって、 特異的に且つ 強力に巨核球の増幅を促進する作用及び血小板産生を促進す る作用を有する新規な巨核球増幅因子を見いだすべく鋭意研 究を重ねた結果、 意外にも動物細胞の培養上清中に全く新規 な巨核球增幅因子を発見すると共に、 適当な産生促進剤を培 地に添加することによ リ、 大量の該因子が生産されることを 見いだした。 更に回収した培養上清よ リ、 該因子を単離 ' 精 製し、 その諸性質を明らかにする と共に、 その薬剤と しての 有用性を示した。 また遺伝子工学的技術を応用し、 該巨核球 増幅因子を発現させることもできる。 本発明はこれらの知見 に基づいて完成されたものである。
[0012] 発明の開示
[0013] したがって、 本発明の 1つの目的は、 強力な作用を有する 実質的に純粋な新規な巨核球増幅因子を提供することにある c また、 本発明の他の目的は、 動物細胞を培地中にて培養し、 その培養液中に巨核球増幅因子を産生させ、 培養液から培養 上清を回収し、 回収した培養上清から巨核球増幅因子を精製 するこ とを含む巨核球増幅因子の製造方法を提供することに ある。
[0014] 本発明の更に他の目的は、 上記の細胞培養において培地中 に巨核球增幅因子産生促進剤を添加して細胞培養を行う こと によ リ、 産生される該巨核球増幅因子の量を増大させる、 巨 核球増幅因子の製造方法を提供することにある。
[0015] 本発明の更に他の目的は、 巨核球增幅因子を遺伝子工学的 技術にょ リ製造する方法を提供するこ とにある。
[0016] 本発明の更に他の目的は、 治療的に有効な量の巨核球增幅 因子を活性成分と して含有する医薬組成物及びそれを用いた 治療方法を提供するこ とにある。
[0017] 本発明の上記及びその他の諸目的、 該特徴ならびに諸利益 は、 添付の図面を参照しながら述べる次の詳細な説明及ぴ請 求の範囲の記載から明かになる。
[0018] 本発明によれば、 巨核球増幅を活性化する活性を有し且つ 末梢血中の血小板を増加させる活性を有する巨核球增幅因子 が提供される。 更に詳しく は、 巨核球増幅を活性化する活性 を有し且つ下記の諸性質を有する実質的に純粋な巨核球増幅 因子蛋白質が提供される。 -
[0019] ( a ) 分子量 : 2 5, 0 0 0 ± 8 , 0 0 0 (ゲル濾過で測定)
[0020] ( b ) 等電点 : 8 ± 1 (等電点電気泳動で測定)
[0021] ( c ) ヒ トのエ リ ト ロポェチン、 イ ンターロイ キン 1 α、 ィ ンターロイ キン l 3 、 イ ンターロイ キン 6及びイ ンターロイ キン 7 に対する各抗体を用いた巨核球增幅活性中和試験にお いて活性が実質的に低下しない。
[0022] ( d ) 巨核球コロニー刺激因子活性を有さない。
[0023] 上記のヒ トのエ リ ト ロポェチン、 イ ンターロイ キン 1 α、 イ ンタ一ロイキン 1 、 イ ンターロイ キン 6及びイ ンター口 ィキン 7に対する各抗体と しては、 米国ジェンザィム社の抗 体を用いることができる (the 1991 Genz yme Ca t a 1 o g; Cy t o k l n e Research Product s)。
[0024] また本発明の他の態様によれば、 動物細胞を培地中にて培 養し、 その培養液中に巨核球増幅因子を産生させ、 培養液か ら培養上清を回収し、 回収した培養上清から該巨核球増幅因 子を分離 · 精製することを含む巨核球増幅因子の製造方法が 提供される。
[0025] 本発明の方法において用いられる動物細胞と しては、 巨核 球增幅を活性化する活性を有し、 且つ末梢血中の血小板を増 加させる活性を有する巨核球増幅因子を産生する能力を有す る各種の細胞を用いることができる。 正常二倍体細胞を有利 に使用でき、 例えば、 ヒ トの腎、 腸、 肺、 心臓、 輸尿管、 皮 膚、 包皮、 舌、 甲状腺、 胎盤、 子宫由来の細胞を、 好ましく はヒ ト胎児腎、 肺、 包皮由来の細胞を、 更によ リ好ましく は ヒ ト胎児肺由来の細胞を使用できる。
[0026] 該巨核球增幅因子は、 これらの組織抽出液から分離精製す ること も可能であるが、 ょ リ好ましく は、 これらの細胞を適 当な生育培体中で培養し、 その培養液に巨核球増幅因子を産 生させ、 培養液から培養上清を回収し、 回収した組織培養液 から分離精製することができる。 これらの細胞は、 通常の細 胞の培養に用いられる培養方法例えば 「組織培養」 (中井準 之助他編集昭和 5 1年刊朝倉書店) 記載の方法で増殖させ、 本発明に供するこ とが望ま しい。 細胞は炭素類、 窒素源及び 必要な場合には、 無機塩類及び/またはその他の添加物を含 む培地溶液中で培養することによって、 巨核球增幅因子を生 産せしめるこ とができる。 また、 本発明によれば、 培地中に 巨核球増幅因子産生促進剤、 好ま しく は動物肉酵素分解ぺプ トンを添加し、 細胞を培養するこ とによ リ、 培養液中に産生 される該巨核球増幅因子の量を飛躍的に増大せしめるこ とが できる。 動物用酵素分解ペプ トンの濃度と しては培地に対し. 0〜4w/v%、 好ま しく は 0. l〜2 w/v%を用いるこ とができる。 動 物肉酵素分解ペプトンは、 一般に細菌の培養培地に用いられ るものであり 、 通常プロテオースペプ ト ン、 プロテオーゼぺ プ トン、 獣肉ペプ トンと呼ばれるものである。
[0027] この動物肉酵素分解ペプ トンの調製法は公知でぁリ 、 例え ば 「細菌培地学講座第二集」 (坂崎利一著、 納谷書店、 1967 年刊) 記載の方法に従えばよい。 即ち、 動物肉と しては、 牛. 豚、 ニヮ ト リ 、 羊、 クジラ等の肉または內臓が用いられるが . このう ち牛肉が最も普通に用いられる。 分解用の酵素と して は、 ト リ プシン、 パパイ ン、 ペプシン、 パンク レアチン等が ある。 これらの動物肉は、 破砕され、 水と混合され、 炭酸ナ ト リ ウム、 濃塩酸等で酵素分解に適した P Hに調製される。 これに酵素を加え、 2 0 〜 4 0でで 1 〜 2 0 日間、 通常は 3 7 ^で 2 〜 3 日間酵素分解を行なう。 消化後は分解酵素を不 活性化するためと、 未消化の蛋白を熱凝固させるために、 1 0 0で以上に加熱し、 濾過によってこれを除去した後、 濃縮 乾固、 細末化する。 濃縮、 乾固の方法には、 煮つめて粉末に するのと、 真空乾燥装置を用いて低温で濃縮後、 細末化する のがある。 市販品と しては、 米国ディフコ社製のプロテオ一 スペプ トン No.1 (Proteose Pepton No.1) 、 プロテオースぺ プ トン No.2、 プロテオースペプ ト ン No.3、 チォペプ トン (Th iopepton) 、 英国ォキソイ ド社製のプロテオースペプトン L4 6、 ペプトン PL46、 英国 B B L社製のチオトン (Thioton) 、 日本国大五栄養化学社製のプロテオースぺプトン等がある。 次に、 巨核球増幅因子の細胞培養法による生産の例を示す 直接組織から取リ出した核因子を産生する初代培養細胞ある いは市販の細胞を用い、 付着培養あるいは浮遊培養で培養す る。 一例を示せば、 適当な細胞密度、 好ましく は 105cel ls/m βの密度で、 0. l〜10mg/m fiの細胞培養用ビーズ担体と共に 植込み、 有血清下 15〜45 、 好ましく は 25〜40°Cの温度範囲 で、 5〜9好ましく は 6〜8の培養液 PH範囲で、 通常 5%C02を含 む空気中で培養される。 巨核球增幅因子産生促進剤を用いる 場合は無血清条件下と し、 0〜4%好ましく は 0.1〜^の濃度で 添加して生産培養が行なわれるが、 好ましく は細胞を十分に 増殖させ、 ょ リ好ま しく はコンフルェントの状態で生産培養 に移される。 生産の培養日数は通常 1~60日であるが、 60日 を越えることも可能である。 巨核球増幅因子の生産速度は、 生産の後半においては次第に遅く なるので、 工業的生産の場 合には最も効率のよい日数が選ばれる。 巨核球増幅因子は、 前記の条件下で細胞から溶液中に産生される。 その生成量の 測定は、 参考例 1 ( a ) , ( b ) に示した巨核球增幅活性測 定法で行ない、 その巨核球の成熟度合は、 参考例 2に示した 巨核球 D N A量測定法で確認できる。
[0028] 本発明の更に他の態様によれば、 通常使用される遺伝子ェ 学的技術を用いて該巨核球増幅因子を適当な宿主細胞に発現 させ、 これを回収し、 更に精製するこ とを含む該巨核球増幅 因子の製造方法が提供される。
[0029] 即ち、 巨核球増幅を活性化する.活性を有し、 且つ末梢血中 の血小板を増加させる活性を有する巨核球増幅因子を産生す る能力を有する、 各種の細胞例えば、 ヒ トの臂、 腸、 肺、 心 臓、 輸尿管、 皮虜、 包皮、 舌、 甲状腺、 胎盤、 子官由来の細 胞を、 好ま しく はヒ ト胎児腎、 肺、 包皮由来の細胞を、 更に ょ リ好ま しく はヒ ト胎児肺由来の細胞から全 R N Aを抽出し, 更にこれによ リボリ A + R N Aを精製する。 適当な発現用べ クタ一、 好ま しく は真核生物発現用ベクターとポリ A + R N A及びリ ンカ一を用いて c D N Aライブラ リーを作製し、 こ のライブラ リーを用いて適当な宿主細胞、 例えば、 大腸菌を 形質転換し、 その培養液よ リ プラス ミ ド D N Aを調製する。 このプラスミ ド D N Aを用いて適当な宿主細胞を、 好ま しく は動物由来の細胞を、 更に好ま しく は、 サル由来の C O S細 胞を ト ランスフエタ ト し、 巨核球増幅因子の遣伝子を発現さ せ、 これを回収し、 更に精製することによ リ 巨核球増幅因子 を製造するこ とができる。
[0030] 次に、 その具体的一例について説明する。 適当量の巨核球 増幅因子細胞、 例えば、 ヒ ト胎児肺細胞好ま しく は 108cel ls ょ リ 、 R NAアイ ソ レーショ ンキッ ト例えば米国、 イ ンビ ト 口ゲン社製のもの(カタ口グ .1(1592_01)を用いて、 付属の マニュアルに従い全 R NAをグァニジンィソチオシァネー ト 法にょ リ抽出し、 常法にしたがってポリ A + R NAを得る。 この際オリ ゴデックスー d T 3 0 (日本国、 日本合成ゴム社 製)を用いることができる。 通常上記方法によれば約 200 μ g の全 R NAが、 1ないし 2 gのポリ A + R N Aが得られる。 次 に岡山一バーグの方法に従い、 c D NAライブラ リーを調製 する。 例えば、 真核生物発現用ベクター 3'-oHgo(dT) - taile d pcDV-1 (スウェーデン国、 フアルマシア社製 No.27- 4955- 0 1) と上記で得たポリ A + R NA及び 3'_oI igo(dG)-tailed pL 1リ ンカ一 (スウェーデン国、 フアルマシア社製 No. 27-4957 ) を用いることができる。 あるいは pcDL-SRa 296を用いてもよ い。 得られた c D N Aライブラ リーを含む溶液を適当数のプ ール、 好ま しく は 10〜200更に好ましく は 50〜 100のプール に分け、 それぞれについて大腸菌 MC 1 0 6 1 (A T C C 5 3 3 3 8 ) への形質転換を行う。 形質転換した大腸菌をアン ピシリ ン存在下で一晩培養する。 集菌、 溶菌後、 例えばキア ゲン- tip-100 (米国、 キアゲン社製) を用い、 付属のマニュ アルに従いプラスミ ド D NAを調製する。 得られた組換え体
[0031] D N Aを、 例えばジェチルアミ ノエチルーデキス トラン法
[0032] (CURRENT PROTOCOLS IN MOLECULAR BIOLOGY 9.2.1-9.2.6) によ リ 、 適当な宿主細胞、 好ま しく はサル腎細胞 C O S 1細 胞 (ATCC,CRL 1650) に導入した後、 WO88/05053明細書、 実施 例 2に記載の方法とほぼ同様にして遺伝子を発現させる。 即 ち、 適当な培養条件例えば 10%牛胎児血清を含む D— M E M 培地 (米国、 フローラボラ ト リ一社製) で、 37°C、 40時間、 5%C 02の条件で培養後、 無血清の D— M E M培地に交換し、 2日毎に 3回培養液を回収する。
[0033] また本発明によれば、 巨核球増幅因子遺伝子を組込んだ発 現細胞を巨核球增幅因子の活性を指標にスク リ ーニングし、 巨核球増幅因子遺伝子をク ローニングすること もできる。 即ち、 回収したそれぞれの培地を濃縮した後、 液体培養に よるアセチルコ リ ンエステラーゼ活性測定法等によ リ 巨核球 増幅因子活性を測定しこれを指標にして、 本物質遺伝子を含 むプールの絞リ込みを行う ことができる。 更に陽性であった D N Aについて、 再度大腸菌の形質転換を行ない、 得られる コロニー (約 2000個) を 10個程度を一まとめと して培養し、 上記と同様にして D N Aの調製、 C O S 1細胞への導入、 発 現及びアセチルコ リ ンエステラーゼ活性測定を行ない、 二次 の c D NAライブラ リーの絞リ込みを行う こ と もできる。 通 常本方法を数回繰リ返すこ とによ リ 、 該巨核球増幅因子活性 を発現する c D N Aプラスミ ドを持つ大腸菌が単離される (Hayashida,K. et a 1. 「Hema t o po i e t i c Factor J 丄, Na 2, 1 02— 108 (1990))。
[0034] 更にまた本発明によれば、 巨核球増幅因子の蛋白質一次構 造の一部をコー ドする遺伝子プローブを調製し、 これを用い てその巨核球增幅因子遺伝子をク ローユングすることもでき る。
[0035] 更にまた本発明によれば、 クローニングされた巨核球増幅 因子遣伝子を用いて、 例えば、 大腸菌、 酵母、 サルの腎細胞 (C O S細胞) 、 チャイニーズハムスターの卵巣細胞 (C H O細胞) 、 マウス C 1 2 7細胞、 ヒ ト胎児腎細胞株、 カイ コ 細胞 S F 9等の宿主細胞を トランスフエク ト し、 更に効率的 に該巨核球増幅因子を発現させ、 これを回収し、 更に精製す るこ と によ リ 巨核球増幅因子を製造するこ とができる。 - 本発明による巨核球増幅因子蛋白質の製造方法において、 例えば細胞培養による製造の場合、 生産細胞による巨核球增 幅因子の産生が所望の生成量または日数に達したときに、 培 養上清を回収する。 該巨核球増幅因子の分離 · 精製方法と し ては、 蛋白質化学において通常使用される方法、 例えば、 担 体による吸着法、 塩析法、 電気泳動法、 およびイオン交換、 ゲル濾過、 適当なリガンドへのァフィユティーを応用した各 種のク ロマ トグラフィー法等を単独で、 または組み合わせて 使用できる。 クロマ トグラフィー法と して、 好ましく は、 力 ルポキシメチル基を結合させたセファロースを用いる CMセ ファロースカラムク ロマ トグラフィー、 架橋したデキス トラ ンゲル等の粒子をもちいるゲル濾過カラムク ロマ トグラフィ 一、 色素吸着カラムク ロマ トグラフィー、 本発明物質と特異 的に結合する抗体を結合させた抗体ァフィ二ティーカラムク ロマ トグラフィーを使用できる。
[0036] このよ うにして得られる新規な巨核球増幅因子は巨核球の 増幅を活性化する活性を有し、 且つ末梢血中の血小板を増加 させる活性を有するものである。 該巨核球増幅因子は、 骨髄 幹細胞あるいは骨髄巨核球前駆細胞からの巨核球の分化、 增 殖並びに巨核球の成熟の研究用試薬と して、 また該巨核球增 幅因子単独で、 あるいは治療的に有効な量の該巨核球増幅因 子に製薬剤的に許容される担体、 希釈液および賦形剤から選 ばれる少なく と も 1種を添加して適当な剤形と し、 医薬品と しても使用するこ とができる。 担体、 希釈剤および賦形剤と しては通常この分野で用いられているものを用いるこ とがで きる。 また該巨核球増幅因子、 I L— 1, I L一 2, I L— 3, I L - 4 , I L - 5 , I L - 6 , I L - 7 , I L - 8 , I L - 9 , I L一 1 1, GM— C S F, G— C S F, M - C S F , S C F, I F N s , L I F, T N Fおよび E P Oから選ばれる少 なく と も 1種の因子、 および製薬的に許容される担体、 希釈 液およぴ賦形剤から選ばれる少なく とも 1種を添加して適当 な剤形と し、 医薬品と して使用することができる。 本発明の巨核球增幅因子は、 ある種の血小板減少症、 例え ば抗癌剤投与後の血小板減少症、 放射線治療後の血小板減少 症、 巨核球増幅因子欠損による血小板減少症、 再生不良性貧 血の血小板減少症、 骨髄移植後の血小板減少症、 自己免疫疾 患の血小板減少症の治療及び/または予防に用いることがで きる。 また白血病の治療にも用いることができる。 更に血小 板輸血の代替、 捕助剤と して、 あるいは輸血用骨髄細胞の i n v i t r oでの增殖培養にも用いることができる。
[0037] 本発明の巨核球增幅因子は、 注射剤と しても用いることが できる。 この場合は、 ショ糖、 グリセリ ン、 メチルセルロー ス、 カルボキシメチルセルロース等の増粘剤、 各種無機塩の P H調整剤等を添加剤と して加えることができる。
[0038] 本発明の巨核球増幅因子の成人 1 回当 リの投与量は、 年齢、 性別、 体重、 症状などによって異なるが、 一般に 0. 1 iu g〜10 O mgであリ、 1 日当リ 1 回または必要に応じて数回投与する ことができる。
[0039] 発明を実施するための最良の形態
[0040] 本発明をよ リ詳細に記述するために、 実施例によ リ説明す るが、 本発明の範囲はこれらの実施例に限定されるものでは ない。
[0041] 参考例 1 巨核球増幅活性測定法
[0042] 本発明によって得られる新規な蛋白質の巨核球増幅因子活 性は、 下記の 2つの方法 ( a )、 ( b ) で測定した。 ( a ) 軟寒天培養法による M e g— P O T活性測定法
[0043] 骨髄細胞懸濁液の調製
[0044] 以下の骨髄細胞懸濁液の調製法に用いる I MDM液 (Isoc 0 V e s modif ication of Da 11 e c c o s medium) は、 粉末
[0045] D (1 £用) (米国、 ギブコ社製) に重曹 3.024 g、 β — メ ル カプトエタノール 3.04ju β を加え、 ρ Ηを 7.1に調製した後、 1 £ にメスアップし、 更に 50IU/m βぺニシリ ン及び 50 μ g/m β ス ト レプ トマイ シン (いずれもフローラボラ ト リーズ社製) を加えて調製したものである。
[0046] 6〜 9週令の C 5 7 B L / 6マウス (雄) の大腿骨を採取 し、 その上部を切断し、 ΙΟπιβ の I MDM液を入れた lOmfi の プラスチック注射器 ( 2 2 G針) を用いて、 膝関節側から 10 0mmブラスチックディ ッシュ中に、 勢いよ く骨髄を押しだし た。 8回 ( 1 9 G針 6 回、 2 2 G針 2回) のピペッティ ング 操作によって、 細胞を分散した後、 15πι β のファルコ ンチュ ーブに移し、 非沈降性の細胞を採リ 、 これを lOm fi の I MD M液で 2回洗浄し、 最後にマウス 1 匹当 リ 2.5mfi の I MDM 液にサスペン ドし、 更によ く分散させて得た骨髄細胞懸濁液 を次のコロニーアツセィの実験に供した。 細胞濃度は、 ト リ パンブルー (米国、 フローラボラ ト リーズ社製) 染色にて血 球計算盤で測定した。
[0047] コ _口 -一アツセィ
[0048] 次の実験において用いるァセチルコ リ ンエステラーゼ染色 液と しては、 1.73mMヨ ウ化ァセチルチオコ リ ン、 0.5mM フェリ シアン化カリ ウム、 5mMクェン酸ナ ト リ ウム、 3mM 硫酸銅 (いずれも 日本国、 和光純薬社製) を含む 400πΐ ·βの pH 6.0の 75mMリ ン酸緩衝液に溶解したものを用いた。
[0049] 105個の骨髄細胞を 100mmプラスチックディ ッシュ中で、 15 v/v%となるよ うに馬血清 (米国、 J.R.サイエンティ フィ ック 社製) を加え、 更に I L一 3 (米国、 ジェンザィム社製) 50 ngまたは I L一 3含有 C O S 1細胞培養上清を lv/v%となる よ うに加えた 500 JB の I MD M液培地中に被検液を加え、 0. 3%バタ トァガー (米国、 ディフコ社製) の条件で軟寒天状態 と し、 37°C、 5%C 02の条件下で 7 日間培養した。 I L一 3 含有 C O S 1細胞培養上清と しては、 マウス I L— 3 c D N Aを S V— 4 0のプロモーターに連結したプラスミ ド D N A を用いて、 C O S 1細胞 (ATCC CRK1650) を形質転換し、 W0 88/05053、 実施例 2に記載の方法と同様にして発現させた、 I L - 3含有培養上清を用いた。
[0050] なお、 無血清状態で培養を行なう際には、 上記の 15v/v%馬 血清含有 I MD M液培地の代リ に、 lw/v%牛血清アルブミン、 360 t g/m β ヒ ト トランスフェ リ ン、 0.98 g/m β コ レステロ ール、 及び 50ng I L— 3 または lv/v% I L— 3含有 C O S 1 細胞培養上清を含む 500 βの I MD M液培地中で培養した。 培養終了後、 ァガーディスクをスライ ドグラス上に移し、 乾 燥させた後、 2%グルタルアルデヒ ドでァガーディスクを固定 した。 固定後リ ン酸緩衝生理食塩液 ( P B S ) で洗浄し、 ァ セチルコ リ ンエステラーゼ染色液で巨核球の特異的染色を行 なった。 コロニ一数は日本国、 ォリ ンパス社製 A H B型顕微 鏡を用いて、 6個以上の陽性細胞からなっているものを 1 コ ロニーと して計数した。
[0051] ( ) 液体培養によるアセチルコ リ ンエステラーゼ活性測定 法
[0052] 上記 ( a ) の測定法におけるのと同様に調製したマウス骨 髄細胞懸濁液に、 最終濃度 0.4mMとなるよ う にジィ ソプロ ピルフルオロフォスフェー ト (D F P) (米国、 シグマ社製) を加え、 時々撹拌しながら室温で 2 0分置き、 骨髄細胞の内 在性のアセチルコ リ ンエステラーゼ活性を消去した。 細胞数 は上記と同様に血球計算盤計数した。
[0053] 骨髄細胞懸濁液の細胞密度を2.5〜5 10 6113/111 £ となる よ う に D F Pで内在性ァセチルコ リ ンエステラーゼ活性を消 去 .Cel 1. Physiol. 159 (1985) )した馬血清を 15v/v%含 む I P DM液に懸濁し、 9 6穴培養用ディ ッシュ (日本国、 住友ベークライ ト社製) に、 1 穴当 リ 0.2m β を分注した。 試 料溶液を 20μ fl加え、 37で、 5% C O 2の条件下で 7 日間培養 した。
[0054] 培養後、 遠心で細胞を沈め上清を除去した後、 各穴に 20 μ β の 5.6mMヨ ウ化ァセチルチオコ リ ン (米国、 シグマ社製) 、 及び 180 μ β の 0.12M食塩、 ImMエチ レンジァミ ン四酢酸、 0.2%ト リ トン X— 1 0 0 を含む P H7.5の SOmMH e p e s 緩衝液を加えて、 室温で 3〜 4時間反応させた。 反応液の 20 β を 96穴の蛍光測定用プレー ト (独国、 グライナ一社製) に移し、 160 β の ImMエチレンジァミ ン四酢酸、 0.2%ト リ トン X— 1 0 0 を含む p H 5.0の酢酸緩衝液及び 20 μ βの 0.4 m M C P M (7-diethylamino-3-(4'-maleimidylphenyU-4-m etbylcoumar in) (米国、 モレキュラープローブ社製) のァセ トニ ト リル溶液を加えて、 室温で 1時間反応させた。 ァセチ ルコ リ ンエステラーゼ活性は、 365nmの励起光による 450nmの 蛍光を P AN D E X F C A (米国、 パクスター社製) を、 用いて測定した。
[0055] 測定を無血清条件で行なう際には、 1.0%ニュー ト リ ドーマ
[0056] - S P (独国、 ベーリ ンガーマンハイム社製) を含む I MD
[0057] M液を用いて行つた。
[0058] 参考例 2 巨核球染色体 D NA含量測定法
[0059] ヒ ト由来細胞を培養して得られる本発明による巨核球増幅 因子の巨核球成熟促進活性は、 以下の方法で直接確認した。 上述のよ う にして作製したァセチルコ リ ンエステラーゼ染 色顕微鏡標本を、 D A P I (4'-6-diamidino-2-phenyl indole) 染色液に約 1 0時間浸漬して二重染色した。 コロニーを形成 している巨核球約 2 0 0個を無作為に抽出し、 日本国ォリ ン パス社製 B H 2落射型顕微鏡及び O S P— 1細胞内 D NA蛍 光顕微測光装置を用いて、 それら細胞の染色体倍化数の分布 を測定した。 なお D A P I染色液は、 下記の保存液 1 、 2、
[0060] 3 を 0.5: 98.5: 1.0m £ の割合で混合し、 100m β と したもの を用いた。
[0061] 保存液 1 ; D A P I lOmgを lOOOmfl の蒸留水に溶解したも の。
[0062] 保存液 2 ; 0.1M食塩、 10mMエチレンジァ ミ ン四酢酸を 含む P H7.4の 10mM ト リ ス ヒ ドロキシメチルァ ミ ノメ タ ン緩衝液
[0063] 保存液 3 ; 1M 2— メ ルカプ トェチルァ ミ ン塩酸塩液 実施例 1 ヒ ト細胞培養法による巨核球増幅因子の生産
[0064] 市販のヒ ト胎児肺正常二倍体細胞 (米国、 フ ローラボラ ト リーズ社製) を 100 β容のガラスボ トルに、 105ce l l s/m £ の 密度で 2.5mg/m £濃度のサイ トデッ ク ス I (細胞培養用ビーズ 担体) (スウェーデン国、 フアルマシア社製) と共に植え込 み、 37°C、 5%C 02を含む空気中で、 生育培地と して 10%牛胎 児血清を含むメ ジゥム M E M培地を 60 β添加し、 60rpmの回 転数で撹はんしながら懸濁培養した。 8 日間培養し、 細胞を 充分に增殖させた後、 生理食塩液で細胞が接着したビーズ担 体を洗浄し、 血清を含まない 0.75%のプロテオースペプ トン No. 3を含む、 あるいは含まない、 メジゥム 1 9 9培地 60 β に 置き換え、 60rpmの回転数で撹はんしながら培養した。 3 日 目毎にこの培地を交換しながら、 本発明物質を含む培養液
[0065] (condi t ioned medium) を回収した。 培養液を 10倍に濃縮し、 その中に含まれる巨核球增幅因子活性を、 参考例 1 (a ) に 示した軟寒天培養法による M e g - P O T活性測定法によつ て評価した。 その結果を表 1 に示す。 なお参考までに、 いく つかの他の細胞の培養液についてもこれを評価した。 ヒ ト胎 児肺細胞は巨核球増幅因子を産生する能力を有すること、 ま たプロテオースぺプトン存在下で培養する と著しく 巨核球增 幅因子活性の産生量が増大することが示された。
[0066] (表 1 )
[0067] 培養液試料 コ口--数ハ 05cel Is ヒ ト胎児肺細胞培養液 1回目回収液 3 8
[0068] (+ Ρ Ρ ) 2回目回収液 3 5
[0069] 5回目回収液 2 6
[0070] 10回目回収液 3 3
[0071] ヒ ト胎児肺細胞培養液 1回目回収液 6
[0072] (- Ρ Ρ ) 5回目回収液 7
[0073] Τ Η Ρ— 1 (白血病細胞) 2
[0074] H e p G 2 (肝癌細胞) 3
[0075] T 2 4 (膀胱癌細胞) 3
[0076] M C F 7 (乳癌細胞) 0
[0077] 〔註〕 1 ) 回数は上記した培養 3 日 目毎の回数を示す。
[0078] 2 ) P P ; プロテオ—スペプトン
[0079] 各試料のコロユー数は、 アツセィ系に添加した I L一 3の みの時に生じるコロニー数、 3を差し引いて算出した。 実施例 2 巨核球增幅因子の精製 I
[0080] 実施例 1 で得たヒ ト胎児肺正常二倍体細胞の培養上清 170 β に、 酢酸約 l. l fi を添加し、 P Hを 4に調製した後、 濾過 によって細胞断片及び生じた不溶物を除去した。 予め 0.2M 食塩を含む P H4.Gの 20mM酢酸緩衝液で充分に平衡化した カルボキシメ チルセファ ロース ( CMセファ ロース ; スゥェ ーデン国、 フアルマシア社製) カラム (直径 9αη X高さ 23.5 cm) に吸着させ、 同平衡化緩衝液 13.5 β及び 0.4M食塩を含 む Ρ Η4.0の 20mM酢酸緩衝液 6 fi で洗浄後、 0.75Μ食塩及び 10mM塩酸リ ジンを含む P H4.0の 20mM酢酸緩衝液 12 £ で 吸着している蛋白を溶出させた。 本操作によって巨核球増幅 因子活性を含む粗精製液 I と して約 5 β の溶出液を得た。 培 養上清中に多量に含まれるプロテオースペプ トン成分は、 1% 以下にまで減少した。
[0081] 溶出液には通常、 多量の組織プラスミ ノーゲンァクチべ一 ター ( t P A) が含まれているので、 これを特異的に除去し た。 即ち、 5M水酸化ナ ト リ ウム溶液を加え、 P Hを 7.0に調 製した後、 予め 0.5M食塩を含む P H7.5の 20mM ト リ ス塩酸 緩衝液で充分に平衡化した、 t P Aに対するモノ ク ローナル 抗体をセファ ロースに結合させた (3mg/m £ ゲル) 、 抗体力 ラム (直径 9cm X高さ 29cm) を素通リ させた。 本操作によつ て、 粗精製液 Π と して約 6 £ の素通リ液を得た。 本カラムク 口マ トグラフィ一によって、 巨核球増幅因子活性はほぼ定量 的に回収された。 また粗精製液 I に多量に含まれる t P A活 性は除去された。
[0082] 粗精製液 It 5.9 β を限外濾過モジュール S I P— 1 0 1 3
[0083] (日本国、 旭化成社製) で 300mfi にまで濃縮し、 10倍容の P 118.5の201111^ト リ ス塩酸緩衝液を加え、 再び 300m にまで 濃縮し、 緩衝液交換を行った。 予め ρ Η8.5の 20mMト リ ス 塩酸緩衝液で充分に平衡化した、 CMセファ ロースカラム
[0084] (直径 5cm X高さ 15cm) に吸着させ、 約 600mfiの同緩衝液で 洗浄した後、 約 600m β の 0.05Mの食塩を含む同緩衝液 (E 1 ) 、 約 600m β の 0.1Mの食塩を含む同緩衝液 (Ε 2 ) 、 更に 1M の食塩を含む同緩衝液 (Ε 3 ) でそれぞれ溶出を行った。 流 速は 200m β /時間で行つた。 溶出画分の巨核球增幅因子活性 を測定したところ、 活性は主に Ε 2、 Ε 3の各画分に認めら れたが、 Ε 2画分の活性は無担体等電点電気泳動法にょ リ 7 ないし 9の等電点を有することが確認できた。 一方 Ε 3に含 まれる活性は更に塩基性の等電点を持つ成分を含んでいた。 この約 600m£の Ε 2面分を粗精製液 1 [と した。 巨核球増幅活 性はこの画分に 20〜 40%の回収率で回収された。 図 1 — (a ) に精製 1段目の CMセファ ロースカラムク ロマ トグラフィー、 及ぴ図 1 一(b ) に精製 3段目の CMセファ ロースカラムク ロマ トグラフィ一の結果の一例を示した。
[0085] 上記粗精製液 mを 10m M食塩を含む p H9.5の 20 mMト リ ス塩酸緩衝液に十分透析した。 予め同緩衝液に平衡化した Q セファ ロースカラム (5cm X 5cm) に吸着させ、 約 1 β の 50m
[0086] M食塩を含む同緩衝液で洗浄した後、 約 300mfi の 0.2M食塩 を含む P H9.5の 2mMト リ ス塩酸緩衝液で巨核球增幅因子を 溶出した。 流速は 50m β 時間で行った。 即ち約 300m β の粗 精製液 IVと して、 活性回収率 40〜60%で回収された。 図 2 に Qセファ ロースカラムク ロマ トグラフィ一の結果の一例を示 した。 上記粗精製液 IVを限外濾過中空糸を用いて 10倍に濃縮し、 これを予め P B Sで充分に平衡化したセファク リル S — 2 0 0 (スウェーデン国、 フアルマシア社製) カラム (直径 2.6 αη Χ高さ 92cm) でゲル濾過した。 巨核球增幅因子活性は溶出 分子量が約 25kd付近にピークを有する画分、 即ち約 50m β の 精製標品と して、 活性回収率 40〜60¾で回収された。 総蛋白 質量は約 5mgであった。 精製度は約 10000倍であった。 図 3 は セファ ク リ ル S — 2 0 0カラムク ロマ ト グラフィ一の結果の —例を示した。 各精製工程における精製度を表 2に示す。
[0087] (表 2 ) 難 容 S(ml) 蛋白回 ft ) 活性回奴 0 隱(倍) 培養上清 170000 100 100 1
[0088] 粗精製液 I 5120 0.40 68 170
[0089] 粗精製液 π 5900 0.28 61 218
[0090] 粗精製液 m 615 0.02 25 1250
[0091] 粗精製液 w 303 12 2400
[0092] 精製標品 50 7 10000 各試料の蛋白質濃度は、 粗精製液 IV及び上記精製標品につい ては、 280ηιηにおける紫外吸光係数 A^。 = 10と仮定して算出 した。 またそれ以外の試料については、 ローリー法で測定し た。
[0093] 実施例 3 巨核球増幅因子の精製 H
[0094] 巨核球増幅因子はまた以下のよ うにしても精製できる。 粗 精製液 Π6 £ を限外濾過モジュール S I P— 1 0 1 3 (日本 国、 旭化成社製) で 300m fi にまで濃縮し、 10倍容の約 0.1M 食塩を含む P H7.6の 20mMリ ン酸緩衝液を加え、 再び 300m
[0095] £ にまで濃縮し、 緩衝液交換を行った。 試料を直前に Ρ Η=5 に調整した後、 予め 0.05Μ食塩を含む Ρ Η5.0の 20mMクェ ン酸 ' リ ン酸緩衝液で充分に平衡化した、 CMセファ ロース カラム (直径 5cm X.高さ 5cm) に吸着させ、 4OOm J0 の同緩衝液 で洗浄した後、 同緩衝液中で 0.05〜0.5Mの食塩濃度の直線 濃度勾配による溶出を行った。 流速は 60m 時間で行った。 巨核球増幅因子活性は食塩濃度が約 0.2〜 4Mの間にピーク を有する面分、 即ち約 lOOmfi の粗精製液 ΠΤ,と して、 30〜50¾ の回収率で回収された。
[0096] 粗精製液 HI ' lOOmfi を上記限外濾過中空糸を用いて 5倍に 濃縮し、 これを予め P B Sで充分に平衡化したセフアク リ ル S - 2 0 0 (スウェーデン国、 フアルマシア社製) カラム
[0097] (直径 2.6cm X高さ 92αη) でゲル濾過した。 巨核球增幅因子 活性は溶出分子量が約 25kd付近にピークを有する画分、 即ち 約 50m β の粗精製液 W' と して、 40〜 60%の回収率で回収され た。 粗精製液 IV' を、 ΙΟιη β容のオレンジセファ ロース (米国、 アミ コン社製) に吸着させ、 1Mの食塩濃度で溶出される画 分をと リ 、 巨核球増幅因子の精製標品を約 8mg得た。 精製度 は 7000倍であった。 各精製工程に於ける精製度を表 3に示す。 各試料の蛋白質濃度は、 粗精製液 IV' 及び精製標品について は、 280nmにおける紫外吸光係数 A 0= 10と仮定して算出し た。 またそれ以外の試料については、 ローリ ー法で測定した。 (表 3 ) 議 S(ml) 蛋白回収 活性回収 ) 精製度(倍) 培養上清 170000 100 100 1
[0098] 粗精製液 I 5050 0.38 64 168
[0099] 粗精製液 π 6120 0.30 58 193
[0100] 粗精製液 ΠΙ' 97 0.05 21 420
[0101] 粗精製液 IV' 46 10 2000
[0102] 精製標品 52 0.001 7 7000
[0103] 実施例 4 巨核球増幅因子の物性
[0104] 本物質の以下の諸性質を測定した。
[0105] 分子量
[0106] 予め P B Sで充分に平衡化したセフアク リル S — 2 0 0 H R (スゥ -ーデン国、 フアルマシア社製) カラム (直径 2.6 cm X高さ 94cm) を用い、 実施例 2および 3で得た精製標品を P B Sで展開し (流速 27.6mfi /h) 、 これを 4 · 6m £ずつ分画 した。 各画分の巨核球増幅因子活性は、 予めゲル濾過用低分 子量マーカー蛋白質キッ ト (スウェーデン国、 フアルマシア 社製、 B S A ; 67kd、 ォブアルブミ ン ; 43kd、 キモ ト リプシ ノーゲン ; 25k d、 リ ボヌク レアーゼ A ; 14kd) 及びブルーデ キス トラン 2000の溶出位置を確認し、 これらとの溶出位置の 比較から分子量を測定した。 本物質は、 25kd付近にピークを もって溶出された。
[0107] 等電点
[0108] 実施例 2および 3で得た精製標品 Ιπιβ を 2m Μ燐酸緩衝液 に対して一晩透析し、 溶媒置換した後、 グリセロール密度勾 配等電点電気泳動法を用いて、 下記条件で等電点を測定した ところ、 本物質は p H =7〜 9の領域に等電点を有していた。 等電点電気泳動用カラム ; 110m£容量 (日本国、 加藤祥ー 商店製)
[0109] 両性担体 ; 1%アンフォライ ン 3.5 - 10 (スウェーデン国、 L K B社製) グリ セロール密度勾配 ; 0-60%
[0110] 電力 ; 3W
[0111] 泳動時間 ; 40時間
[0112] 熱、 及びト リ プシン処理に対する安定性
[0113] 実施例 2および 3で得た精製標品を P B S 中で 100°C、 10 分間処理し、 残存する巨核球增幅因子活性から安定性を評価 した。 本物質の活性は、 5%以下に失活し、 不安定であった。 また本物質は、 0.125mg/m fi の ト リプシンで 37°C、 1時間の処 理に対しても感受性が高かった。
[0114] 抗原性
[0115] 本物質が既知のサイ トカインと免疫学的に反応するかどう かを、 実施例 2および 3で得た精製標品を用いて検討した。 抗ヒ トエリ ト ロポェチン抗体、 抗ヒ ト I L— 1 α抗体、 抗ヒ ト I L一 1 3抗体、 抗ヒ ト I L一 6抗体、 抗ヒ ト I L— 7抗 体 (全て米国、 ジユンザィム社製) を用い、 本物質の巨核球 増幅因子活性の中和実験を行った。 その結果、 本物質はこれ らの抗体で処理しても、 活性は低下せず、 これらの抗体とは 反応しないこ とが示された。 また本物質は、 抗 I L一 1抗体 カラム及ぴ抗 I L一 6抗体カラム (米国、 エン ドジヱン社製) に対しても、 吸着性を示さなかった。 このこ とは、 本発明の 巨核球増幅因子がこれら既知のサイ トカイ ンとは免疫的に区 別されるものであることを示す。
[0116] 実施例 5 巨核球增幅因子活性 本物質の巨核球増幅活性を、 実施例 2および 3で得た精製 標品を用いて軟寒天培養法で検討した。 また I L一 6及び I L一 1 1 の活性と比較測定した。 C HO細胞由来の r h I L — 6は市販の物 (米国、 ジェンザィム社製) を用いた。 また r h I L - 1 1 は C O S 1細胞由来の物及び C H O細胞由来 の物を下記のよ うにそれぞれ調製し、 用いた。
[0117] ヒ ト胎児肺 (H E L) 細胞 c D NAライブラ リーの作製
[0118] ヒ ト胎児肺細胞約 2X 108ょ リ 、 グァュジゥムイ ソチオシァ ネー ト変法に従い全 R NA約 200 を抽出した。 この際、 全 R NAアイ ソ レーショ ンキッ ト (米国、 インビ トロゲン社製) を用いた。 次いで、 全 R N Aよ リオリ ゴテックスによ リボリ A付加 R NA約 を単離した。 c D NA合成は岡山一 B e r g法にょ リ行った。 即ち、 このポリ A付加 R NAを用い、 3, オリ ゴ d Tテール付加 p C D V— 1 (スウェーデン国、 フアルマシア社製) をベクタープライマーと し c D NA合成 キッ ト (独国、 ベーリ ンガ一社製) にて、 添付のマニュアル に従い c D N A合成を行った。 合成反応終了後フエ ノ ール抽 出、 エタノール沈澱を行い、 次にテーリ ングキッ ト (独国、 ベーリ ンガー社製) にて d Cテールを付加させた。 さ らにフ ェノ ール抽出、 エタ ノール沈澱後、 制限酵素 H i n d i I I で消化し、 反応終了後フエノールクロ口ホルム抽出し、 エタ ノール沈澱した。 次に 3, オリ ゴ d Gテール付加 P L— 1 H i n d l I I リ ンカ一 (スウェーデン国、 フアルマシア社製) 0.5ngと 65° (:、 5分、 続いて 42°C、 60分加熱後、 室温にまで冷 却した。 次いで大腸菌 D NAリガーゼにょ リ環状化させた。 その後、 R N a s e H、 D N Aポリ メ ラーゼ I、 D N Aリ ガ ーゼによ リ R NA鎖を D N A鎖に変換させた。 このよ う にし て合成した c D NAによ リ 、 大腸菌 K l 2 MC 1 0 6 1 (米 国、 ベックマン シティ ォブ ホープ メデイカノレ イ ン スティテュー トょ リ入手) を常法に従い形質転換した。
[0119] H E L細胞 c D N Aライブラ リーからの I L一 1 1 のス ク リ 一ユング
[0120] 先ず、 次の配列を有するオリ ゴヌク レオチ ド :
[0121] 5 ' - C C G A G G G T C T G G G G AAA C T C - 3 ' を D N A合成機 (米国、 アプライ ドバイオシステム社製 D N Aシンセサイザー、 モデル 9 8 0 — A) を用いて常法どおリ 合成した。 ついで、 上記オリ ゴヌク レオチ ドの 5 ' 末端を T 4ポリ ヌク レオチ ドキナーゼによ リ リ ン酸化した後、 I L— 1 1合成 D N Aプローブと した。 本プローブにて、 上記にて 作製した c D NAライブラ リー コロニーハイブリ ダィゼィ シ ヨ ンを実験書 (Maniat isら、 Molecular Cloning 2nd. Edit ion 1.85、 1989年、 C。ld Spring Harbor Laboratory) に従 つて実施した。 その結果、 約 70 , 000個の形質転換体をス ク リ 一ユングしたと ころ、 本プローブと反応する数個のク ローン が得られた。 そのう ちの 1ク ローンについて、 実験書に従い プラス ミ ド D N A ( p c D I L— 1 1一 1 2 と称する) を調 製した。
[0122] 塩基配列の決定
[0123] 取得したプラスミ ド上で I L— 1 1遺伝子のコー ド領域を 含むと推定される領域を中心に、 制限酵素を用い M l 3 m p 1 8およぴ M 1 3 m p 1 9のマルチク口一ニング部位へサブ クローユングした。 次いで、 各々の塩基配列を.蛍光 D N Aシ 一ケンサ一 (米国、 アプライ ドバイオシステム社の D NAシ 一ケンサ一 3 7 3 A) を用い、 その添付プロ トコールに従つ て蛍光プライマーサイクルシーケンシングキッ ト (米国、 ァ プライ ドバイオシステム社製、 カタログ番号 4 0 1 1 1 9 ) を用いて決定した。 得られた塩基配列をヒ ト I L一 1 1 c D NAと比較したところ、 塩基配列から予想されるアミ ノ酸の —次構造はヒ ト I L一 1 1 のものと完全に一致した。 従って、 本プラスミ ドが含んでいる遣伝子は確かにヒ ト I L— 1 1遺 伝子であると考えられだ。
[0124] プラスミ ド p c D I L - 1 _1 - 1 2の C O S— 1細胞での発
[0125] Cひ S細胞への トランスフエクシヨ ンは、 常法に従い、 以 下のよ うに実施した。 C O S— 1細胞 (AT C C C R L 1 6 5 0 ) を組織培養用ディ ッシュ中で、 10% (v/v) のゥシ胎 児血清 (以下 F C S と称する。 米国、 ギブコ社製) を加えた ダルベッコ改変最小必須培地 (以下 DMEMと称する。 米国 フローラボラ ト リーズ社製) を用いて、 37 で5%< 02ィン キュベ一ター内で約 50%コンフルェン トになるまで培養した。 トランスフエクショ ン直前に、 添付のマニュアルどおリ に調 製した P B S (—) (日本国、 二ッスィ社製) で細胞を洗浄 し 4m£ の 10% (v/v) の N u s e r u m l (米国、 コラボレイ ティブ社製) を加えた DMEMに置き換えた。 一方、 120 β の lOmg/mfi D E A E—デキス ト ラン溶液中に、 60 β の T B Sに溶解させたプラスミ ド p c D I L一 1 1 - 1 2 D NA (10 /i g) 溶液を滴下混合し D N AZD E A E—デキス トラ ン溶液を調製した。 次いでこの D N A/D E A E—デキス ト ラン溶液を先のディ ッシュ上へ均一にゆきわたるよ う に滴下 した後、 37 °Cで 5% C 02インキュベータ一内で 4時間培養し た。 培養上清を吸引除去後、 5m β の 10% (v/v) DM S O (米 国、 メルク社製) を加えた P B S (—) を添加し室温で 1分 間放置した後、 吸引除去した。 さ らに 5m £ の P B S (—) で 細胞を洗浄後、 7m β の 100 Μク ロ口キン (日本国、 和光純 薬社製) および 2% (v/v) の F C Sを加えた DM E Mを添加 し、 37 °Cで 5% C O 2インキュベーター内で 3時間培養した。 培養上淸を除去し ΙΟπιβ の P B S (—) で細胞を洗浄した後、 10%F C Sを加えた DM EMを添加し 37°Cで 5% C 02インキ ュベータ一内で 2 日培養した。 以後、 血清を抜いた DMEM に置換し 2 日 ごとに培養上清を回収した。
[0126] プラス ミ ド p c D I L - 1 1 - 1 2のチャイニーズハムスタ 一卵巣 (C H O) 細胞への導入と発現 C H O - d h f ]: -細胞株はコロンビァ大学0しし(:1133 ; 11,0 r.G.U.ChasiDょ リ入手した。 まず、 C H O— d h f r—細胞 5 X 105を組織培養用ディ ッシュ中で、 増殖培地 (10%の F C S を加えた H a m, s F — 1 2培地 (米国、 フローラボラ ト リ ーズ社製) にて 37°C13培養した。
[0127] 取得したプラスミ ド p c D I L — 1 1 - 1 2 とプラスミ ド p S V 2 - d h f r (ATCC番号 37146) を F . L . Gr ah amらの方 法 (F. L. Graham 「Virology」 H,456 (1973)) に従い、 リ ン酸 カルシウム法にょ リ C H O— d h f r—細胞株への導入を行 つた。 3 日間增殖培地にて培養後、 選択培地 (D M E M) ( 米国、 フローラボラ ト リーズ社製) にプロ リ ンが 150 μ g/m £、 透析ゥシ胎児血清 (米国、 ギブコ社製) が 10%となるよ う に 加えたもの) に置換した。 その後、 約 3日 ごとに培地交換を 行い、 約 2週間後には形質転換細胞コロニーが出現した。 数 個のコロニーをピックアップし拡大培養後、 参考例 1 ( a ) に従い、 その上清の巨核球増幅因子活性を測定したと ころ、 いく つかのク ローンで活性が検出された。 活性の検出された ク ローンについて、 さ らに 20 n Mのメ ソ ト レキセ— ト (MT X ) ( 3本国、 和光純薬社製) を含む選択培地にて、 約 2週 間培養し MT X耐性コロユーを取得した。 数個のコロニーを ピックアップし拡大培養後、 参考例 1 ( a ) に従い、 その上 清の巨核球増幅因子活性を測定したところ、 いく つかのクロ ーンでさ らに活性の高まったものが検出された。 さ らに、 20 O n Mに MT Xの濃度を上昇させ同様の操作によ リ耐性株を 取得した。 そのう ちの 1株を I L— 1 1産生株と して以下の 実験に用いた。 この株を選択培地にてコ ンフルェン トになる まで培養し、 次いで血清を抜いた選択培地にて培養後上清を 回収した。
[0128] 巨核球増幅因子活性の測定
[0129] 巨核^増幅因子活性を軟寒天培養法で検討した。 結果を表 4に示す。 I L一 6 (米国、 ジェンザィム社製) の M e g — P O T活性は lng/m β及び 50ng/m βでははっき リ と した活性 が検知出来ず、 200ng/mfi の高濃度を用いても、 I L一 3 の みの時のわずか約 3倍であった。 これに対し本物質の精製標 品は、 1 n g/m β で既に I L一 3のみの時の 6倍の活性を示し、 10ng/m β では約 50個ものコ口 -一を与え飽和していた。 また I L一 1 1 の活性を C O S 1及び C H O細胞による発現培養 上清を用いて調べた。 I L— 1 1 によって得られる最大コロ ユー数は I L— 6 ょ リ はやや高いものの、 本物質の 1/2程度 であリ 明らかに活性が低いことが示された。 また本物質は単 独では、 巨核球增幅因子活性を示さなかった。 更にヒ ト顆粒 球コ ロニー刺激因子 (G— C S F ) 及びヒ トマク ロファージ 刺激因子 (M— C S F ) の活性も併せて測定したが、 これら の物質は I. L一 3 に加えても巨核球増幅活性は実質的に示さ ず、 また単独でも M e g— C S F活性を示すこ と もなかった。
[0130] また I L— 3のみ及び I L— 3 +本物質 (lOng/m fi ) の試 料について、 巨核球染色体 D N A含量測定法にょ リ 、 染色体 倍数の測定を行ったところ、 I L— 3のみの時には 〜 8nの 細胞が最も多かったのに対し、 本物質では 16η以上の細胞の 割合が 60%以上に達し、 本物質の強い巨核球増幅因子活性が 示された。
[0131] (表 4 )
[0132] 試料名 コ ロニ一数
[0133] IL - 3のみ(10iig/m β ) 3
[0134] IL - 3 + 本物質(lng/m β ) 丄 8
[0135] IL- -3 + 本物質(10ng/m Ά ) 4 8
[0136] IL- -3 + 本物質(lOOng/ιη β ) 4 7
[0137] 本物質(lOng/in fi ) 0
[0138] IL- -3 + IL - 6 (lng/m & ) 3
[0139] IL- -3 + IL-6 (50ng/m Ά ) 5
[0140] IL- -3 + IL-6 (200ng/m β ) y
[0141] 1 L- -3 + IL-ll (COSl) (1 μ fl /" ) i
[0142] IL- -3 + IL-11 (COS1) (50 μ β /" ) 2 4
[0143] IL- -3 + IL-11 (C0S1) (100 μ /m β ) 2 0
[0144] IL- ■3 + IL-ll (CHO) (1 μ /m fl ) 8
[0145] IL- •3 + IL-11 (CHO) (50 μ & /m i ) 2 5
[0146] 1L- 3 + IL-11 (CHO) (100 x £ / ) 2 6
[0147] IL- 3 + GCSF(50ng/m β ) 2
[0148] GCSF(50ng/m £ ) 0
[0149] IL- 3 + CSF(10ng/m fl ) 3
[0150] GCSF(10ng/m Ά ) 0 更にまた、 本物質の巨核球增幅因子活性を液体培養による アセチルコ リ ンエステラーゼ活性 (AchE act ivi ty) 測定法 によ リ評価した。 比較のために I L一 6 についても評価した。 この測定法においては、 IL- 3を Meg-CSFと して 2 β を加えた。 その時のコン ト ロールは、 IL-3のみを添加した場合である。 結果を図 4 — ( a ) および図 4一(b ) に示す。 図 4 — ( a ) および図 4 — (b ) の左側の棒グラフは、 IL-3を全く加えな い場合のデータである。 Relat ive f 1 u o r e s c en c eは、 被検試 料に何も加えない場合 (コン トロール) を 1 と した相対値で 示してある。 図 4 — ( a ) は無血清条件での培養結果を、 図 4 - ( b ) は 15%の DFP処理した馬血清(HS)を含む条件での培 養結果を示す。 この測定方法においても本物質の強い巨核球 增幅因子活性が示された。
[0151] 実施例 6 巨核球増幅因子の ト ロンボポェチン作用
[0152] 本精製物質をマウス (C 5 7 B L雄、 7週令、 一群 5匹) の腹腔内に 5 日間連続投与し、 最終投与後 3時間後に採血し て血小板数及び赤血球数を測定した。 表 5 に示したよ う に、 本物質は血小板数を危険率(P) l%以下で有意に増加させ ト ロ ンボポェチン作用を示すこ とが明らかとなった。 なおこの時 赤血球数は増加しなかった。 表 5 において、 グループ 1及び 2は本精製物質を一投与当 リそれぞれ 1 μ g及び 0.2 gを 150 g/m β の牛血清アルブミ ン(BSA)を含む PBS中に溶かしたも のを投与し、 グループ 3にはコン トロールと して、 BSAのみ を投与した
[0153] (表 5 )
[0154]
[0155] 〔註〕 B S A : 牛血清アルブミン 実施例 7
[0156] 以下に本発明の巨核球增幅因子を活性成分とする医薬組成 物の配合例と該医薬組成物の調製法を示すが、 本発明はそれ らの配合例に限定されるものではない。
[0157] (配合例 1 )
[0158] 精製した本発明の巨核球増幅因子 lmg
[0159] 精製ゼラチン 20mg
[0160] マンニ トール lOOmg
[0161] 塩化ナ ト リ ウム 7· 8ms
[0162] リ ン酸ナ ト リ ウム 15.4mg
[0163] 上記成分を注射用蒸留水 2m flに溶解し、 無菌パイアルに入 れ、 -35。Cで真空度 0.075 Torrで 35時間一次乾燥し、 次いで 3 0。C、 真空度 0.03 Torrで 5時間二次乾燥して、 注射用バイァ ルを製造した。 得られた組成物は、 投与直前に生理食塩水も しく はブ ト ゥ糖注射液 500m に溶解して点滴静注するのに用 レヽられる。
[0164] (配合例 2 )
[0165] 精製した本発明の巨核球増幅因子 10 μ g
[0166] ァルブミ ン 5mg
[0167] マ ンニ トーノレ 25mg
[0168] 塩化ナ ト リ ウム 1.95mg
[0169] リ ン酸ナ ト リ ウム 3.85mg
[0170] 上記成分にて、 配合例 1 と実質的に同様の方法にょ リ注射 用バイアルを製造した。
[0171] 図面の簡単な説明
[0172] 図 1 は、 実施例 2 の各精製工程に於けるク ロマ トグラムを 示す。 図 4 一 ( a ) は精製 1段目の CMセファ ロースカラムク ロ マ トグラフィ ー、 図 4 — ( b ) は精製 3段目の CMセファ ロース カラムクロマ トグラフィ一の結果を示す。
[0173] 図 2は、 実施例 2 の精製工程 4段目の Qセファ ロースカラム ク ロマ トグラフィ一の結果を示す。
[0174] 図 3 は、 実施例 2のゲル濾過の結果を示す。
[0175] 図 4 は、 本発明による巨核球増幅因子及ぴ IL-6の巨核球增 幅因子活性を、 液体培養によるアセチルコ リ ンエステラーゼ 活性 (AchE act ivi ty) 測定法にょ リ評価した結果を示す。 図 4 一( a ) は無血清条件での培養結果を、 図 4 一(b ) は 15 %の DFP処理した馬血清(HS)を含む条件での培養結果を示す。 産業上の利用可能性 本発明の巨核球増幅因子蛋白質は、 巨核球の増幅を促進し 且つ末梢血中の血小板を增加させる活性を有してぉリ、 その 活性は類似の活性を有する既知の諸因子に比べて強力である。 従って、 本発明の巨核球増幅因子蛋白質は、 そのまま単独で、 あるいはそれを活性成分と して含有する医薬組成物の形態で、 血小板減少症等の予防及び治療に有効に用いることができる。
权利要求:
Claims請求の範囲
1 . 巨核球増幅を活性化する活性を有し且つ下記の諸性質を 有する実質的に純粋な巨核球増幅因子蛋白質。
( a ) 分子量 : 2 5 , 0 0 0 ± 8 , 0 0 0 (ゲル濾過で測定)
( b ) 等電点 : 8 ± 1 (等電点電気泳動で測定)
( c ) ヒ トのエ リ ト ロポェチン、 イ ンターロイ キン 1 α 、 ィ ンタ一ロイキン l j3 、 イ ンターロイキン 6及びイ ンターロイ キン 7 に対する各抗体を用いた巨核球増幅活性中和試験にお いて活性が実質的に低下しない。
( d ) 巨核球コ ロニー刺激因子活性を有さない。
2. ヒ ト細胞由来である請求項 1 に記載の巨核球増幅因子蛋 白質。
3 . ヒ ト細胞が正常二倍体細胞である請求項 2 に記載の巨核 球増幅因子蛋白質。
4 . 正常二倍体細胞が肺由来である請求項 3 に記載の巨核球 増幅因子蛋白質。
5 . 動物細胞を培養し、 その培養液中に巨核球増幅因子蛋白 質を産生させ、 培養液から培養上清を回収し、 回収した培養 上清から巨核球增幅を活性化する活性を有し且つ下記の諸性 質を有する巨核球増幅因子蛋白質を分離'精製するこ とを含 む巨核球増幅因子蛋白質の製造方法。
( a ) 分子量 : 2 5, 0 0 0 ± 8, 0 0 0 (ゲル濾過で測定) ( b ) 等電点 : 8 ± 1 (等電点電気泳動で測定) ( c ) ヒ トのエリ ト ロポェチン、 インターロイ キン 1 α、 ィ ンターロイキン 1 、 イ ンターロイキン 6及びイ ンターロイ キン 7に対する各抗体を用いた巨核球増幅活性中和試験にお いて活性が実質的に低下しない。
. ( d ) 巨核球コロニー刺激因子活性を有さない。
6. 動物細胞がヒ ト細胞である請求項 5 に記載の製造方法。
7. ヒ ト辆胞が正常二倍体細胞である請求項 6 に記載の製造 方法。
8. 正常二倍体細胞が肺由来の細胞である請求項 7に記載の 製造方法。
9. 該細胞の培養を培地中に巨核球増幅因子産生促進剤を添 加して行なう請求項 5 に記載の製造方法。
1 0. 巨核球増幅因子産生促進剤が獣肉ペプ ト ンである請求 項 9に記載の製造方法。 -
1 1 . 動物細胞がヒ トの肺由来の細胞である請求項 1 0に記 載の製造方法。
1 2. 動物細胞から
( a ) R N Aを抽出し、
( b ) 得られた該 R N Aよ リボリ A + R N Aを得、
( c ) 発現用ベクター及び工程(b ) で得られたポリ A + R N
Aとから Q D N Aライブラ リーを調製し、
( d ) 得られた c D NAライブラ リーよ リ宿主細胞を用いて プラスミ ド D NAを調製し、 ( e ) 得られたプラスミ ド D NAを用いて宿主細胞を トラン スフェク ト し、
( f ) 該宿主細胞、 あるいは巨核球増幅因子活性を指標に該 宿主細胞をスク リ ーニングして得た細胞を用いて、 巨核球增 幅因子蛋白質を発現させ、
( g ) 発現した該巨核球増幅因子を回収し精製する
こ とを含む該巨核球增幅因子蛋白質の製造方法。
1 3. 治療的に有効な請求項 1 の巨核球増幅因子蛋白質、 及 び製薬剤的に許容される担体、 希釈液および賦形剤少く と も 1種を含有する医薬組成物。
1 4 . I L - 1 , I L - 2 , I L - 3 , I L - 4 , I L一 5, I L - 6 , I L - 7 , I L - 8 , I L - 9 , I L - 1 1 , G M— C S F, G - C S F , M— C S F, S C F, I F N s ,
L I F , T N Fおよび E P Oょ リなる群から選ばれる少なく と も 1種の因子を更に含有する請求項 1 3に記載の医薬組成 物 o
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优先权:
申请号 | 申请日 | 专利标题
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